2023年2 月26日 17時半頃、立石に沈む夕陽。
この葉山であたしは産まれて、
中学高校生の頃は江ノ島まで自転車を走らせて
湘南の海に沈む夕陽を眺めてきた。
夕陽が沈む時間になると
わらわらと人が集まってくる。
富士山もぼんやりと見えて、
陽が落ちたあとは少し暗くなったからか
まるで水墨画みたいだった。
以前、由比ヶ浜からダイヤモンド富士を見たときには、集まった近所の人達やスタンドのカメラを構えていた人達からわぁー!!と歓声があがり、拍手が沸き起こった。
10年以上も前なのに、熱いものが込み上げてきたあの感覚が不思議なくらい正確に、鮮明に蘇った。
立石に沈む夕陽を見ながら潮風を顔に受けていると
色んなことをなんだか、もういいやと思える。
なるようにしかならないし、ご縁がなかったと諦められることもある。
立石は今日はどんな表情をみせるのだろう。
神奈川の絶景に選ばれる立石だっていつも最高に美しいわけではなくて。
天気に左右されて、どす黒く寒々しい雰囲気のときもある。富士山が全く見えない日もある。
人間も立石と思えてならない。
美しく優しい反面、冷たくおそろしく手厳しかったり、守ってあげるという強さの反面信じられないくらいもろく崩れてしまったり。
色んな表情があって。
それでもやっぱり美しい場所であることは変わらず、人々は立石の絶景を見れることを期待して
わらわら集まってくるんだろうね。
多分、永遠に。