ホイットニー・ヒューストンに続いて、ビリー・ホリデイの伝記映画を見た。
※ネタバレ・あらすじあり。
ざっくり100年前の人。1915年産まれ。
日本だと大正初期のアメリカ。
古き良きアメリカという感想は、ネオンの街並みくらいで、アメリカの深い闇を感じる結果に。
ビリー・ホリデイは黒人女性。ジャズシンガーとしてこんなに有名な人とは知らなかった無知な私。
日本のような単一民族の私達からすると想像もつかないけれど、人種のるつぼのアメリカで人種差別がものすごく強い。
当時の黒人には人権がない。
黒人でかつ女性ときたら虫けら以下の扱い。
1950年代まで黒人リンチ(凄惨な私刑)が行われていた。知らないだけでもっと長かったかもしれない。
当時の人の感覚を疑うけれど、酷い公開処刑を鑑賞しながらピクニックを楽しんでいたとか。
リンチの理由は白人女性にぶつかったから。
そんな些細なことで。
ビリー・ホリデイは反リンチ曲を歌った。
それが、【奇妙な果実】。
歌うな!と国家から圧力をかけられてしまう。
当時のアメリカでは、白人様に刃向かうなんて考えられないことだったから、その勇気に驚く。
命知らずと言っても全然過言ではない。
黒人の反リンチ法が成立したのは、なんと2022年。
去年じゃん。言葉を失う。
遅すぎる。やっぱりアメリカって変な国。
100年以上のたたかいでようやく成立って‥。
実質アメリカの植民地である日本に住んでいて言うことではないけど、極力関わりたくないと思ってしまった。
ビリー・ホリデイ、お世辞にも美人とは言えないけれど色気、雰囲気がすごい。しかもバイ・セクシャルで女優のチョー綺麗な白人の彼女もいたんだね。
天才的なアーティストの伝記ものを鑑賞すると、
麻薬、お金を搾取する身内、レズビアンがセットになっているのが不思議。
乱暴な悪い男が好きなのは分からない。
ずっと酷い扱いを受けていると、酷く扱われないと物足りない、愛を感じない。暴力をふるわれることが快感になるのか。
そんなの悲し過ぎるわ、、、
差別や虐待をする人間の本性、国家権力の乱用。
そんなことに怒りがわいた映画。
でもみてよかった!こういった事が事実としてあるわけで、同じ地球に生きている私達が忘れてはいけない、考え続けなきゃいけない。
二度と二度と繰り返さないために!!