帰って来たグルメビアン

美味しいもの大好き!女性同士のカップルです。

砂をつかめ!!

ラッキーなことに私には恩師がいる。

私は大学も出ていないので、小学校の先生。

 

山口先生。本当の意味で優しい素敵な先生。

子供たちの事を、可愛くて仕方ないという温厚な目で見つめていた。私にとっては女神様。

サザエさんみたいな髪型をした大柄なおばさんだったけど私にとっては女神様。

 

私が小一の時、先生が毎日本を一冊読みなさいと言ったので、私は忠実に毎日一冊本を読んだ。

365日、一日も欠かさず本を読んだのは、学年でただ一人、私だけだったと聞かされたのはだいぶ後のことだった。

小四の時、走れメロスの読書感想文で入賞したことが一度あり、私は先生にお礼のお手紙を書いた。

「山口先生が毎日本を読むように言ってくれたおかげです、本当にありがとうございます。」

子どもなので文章はせいぜいこんなもの。

その返事がすごかった!

「青は藍より出でて藍より青し!!!評価されたのはあなたの実力ですよ!!おめでとう。」

青は藍より出でて藍より青しという言葉のインパクトの強さときたら。思い返すと、今だにシビれる先生で、色褪せない思い出。

ところが、優しい山口先生にはこんな厳しい一面もあった。 

とある日、転んで涙目の私に、転んだら砂でも何でも良いから掴んで起き上がると教えた。

今現在生きていたら、おそらく70代半ば〜80歳くらいだろう、生きていてほしい、私の感謝の念が伝わって、長生きしてほしいと切に願う。

 

月日はものすごい勢いで流れ、大人になった私は世間一般から見たら【バリキャリ女子】なんていう括りに当てはめられる女になった気がする。

パッと見の外見や肩書は確かにそうかも知れない。

でも私は違う!高学歴のお嬢と一緒にするなと断固否定する!私は泥臭くやってきた、正真正銘の叩き上げ。

 

そんな私でもいわゆるパワハラには傷付いた。指導という名の大人のイジメを沢山受けて、精神を病むほど追い詰められた経験もあるが、今では私をいじめた人にも感謝している。

いじめられて感謝なんてドMかと思われそうだけど、どちらかというと私はSッ気が強いので違う。

 

直近では、パワハラのおっちゃん上司に、仕事の内容に疑問があったので尋ねたら、「ああん!?いちいち聞いてくるんじゃねえよ!テメェの頭で考えろ!バカヤロウ!」とものすごい剣幕で怒鳴られたことがある。ホニャララをやっとけ!!と一度も着手した事のない案件を投げられ、困惑した私が、まだ一度も教えられてない業務なのでどのようにしたら、、と尋ねた時もおっちゃん上司は激怒。

「オマエさぁ、教えてもらってない、知らねーばかりだよな!だから、俺はお前に冷たいんだよ!」と

静まり返ったセンターで100人程が見ている中怒鳴られた。日頃から業務の進行を急かし、椅子の背もたれをドンドン殴ってくるし、意味不明な要求、理不尽に怒られ、長時間残業や早出を強要される日々。

ハッキリ言って憎らしすぎてずっと、、、

タヒね、タヒね、タヒね‥と頭の中で念仏のように唱えていた。

 

ただ最近になって私は、仕事で高い評価をされるようになり、なぜそのような発想が出来るのか、どうしてこんな数字をあげられるのかと尋ねられるのだが、振り返るとこのような理不尽な指導のもと極限状態で編み出した私なりのやり方がある。

 

今は、おっちゃんとの接点のない部署で、一番上が全員女性というそれはそれでキツい環境にいる。

 

過去には、毎日理不尽に叱りつけてきた女性上司もいた。嫌味満載で意地悪だったり。でも、その経験のおかげで、女社会でも器用に立ち回れるようになった。パワハラ以外にも、私の身に降り掛かった嫌だったこと、辛かったことすべてが宝の山でもあるという。

 

今も色々あるけれど、、、

「砂を掴め!あたし!!」と自分にエールを送っている。